2015年7月31日金曜日

「書く」大切さ、、、

みなさんこんにちは(*^^*)


 みなさんは「日記を書く」ということを経験したことが
ありますか?また、PC技術が発達している現在で「書く」という
動作が減ってきているなんてことありませんか?


 今では「書く」といえばSNSやブログ等が思い浮かぶのではないでしょうか。

 でも実は「書く」というシンプルな動作にストレスを軽減する力が
あるのです!
そして精神面だけでなく、脳を活性化させる力も持ち合わせているんです。

自分の中で渦巻いているモヤモヤした気持ちを何とか処理したいと思ったら
紙にしたためることをおすすめします!

たとえば、、、
・手帳の余白に小さな字で一言二言
・日記帳に日々の思いを二、三行
・コピー用紙に不安や辛みを殴り書きにするのも、それを書いたあとに
ビリビリに破ったりする

 人に読まれると思うと少し感情を抑えようと意識してしまうことも
あるかと思います。
一方、手書きはどんな悪い言葉、汚い字でも書き放題です。
直接手に刺激が伝わる「手書き」をすることにより、思いの丈を筆圧に
込めることができるのです。

 
 そして殴り書きでももちろんいいのですが、日記として丁寧に文章を書くことで
脳に刺激を与え、活性化させることができます。
「書く」という動作は実はものすごく頭を使う作業なのです。

 まず書きたいことを思い出すために頭の中の数ある引き出しの中から探し出し、
それを文字に変える作業を行い、PCならキーボード作業一つで行われる漢字変換も
自分の頭で行っています。
思ったよりも脳がハードに動いていると思いませんか?

 

 一番のおすすめは日記を書くことです。
始めはたった一言。一行でもいいんです。
気がついた時、思った時に「書く」、そこから始めてもいいんです。

書きたいことを書いて少し気持ちに余裕ができたら、
もう一度読み返してみてください。

 不安や辛み、迷いなどがつづられていたとしたら、客観的に読み返してみるうちに
自然と答えがでるかもしれません。
「自分と向き合う」という作業もできる日記。ぜひ始めてみてください!(*^_^*)





2015年7月17日金曜日

〜うつ病講習会 〜


先日、二ヶ月に一度の、院長のうつ病講習会を行いました。


今回のテーマは、“うつ病の再発・慢性化”についてでした。


うつ病は再発・慢性化が多い病気なので、まずは‘うつ病’についての正しい理解を深め、治療しながら、再発・再燃を予防する手段を自ら取っていくということが必要になっていきます。


うつ病の再発率は高く、ある程度回復したとしても、最初の2年のうちに半数以上の方が再発すると言われているので、その2年間が重要な時期としてとらえることができると思います。



今回は、講習会の中では、架空の事例をもとに、治療の経過がどのように進んでいったかを辿り、再発しないためにどんなことを心がけるとよさそうかを学びました。

発病するまでの様子や、発病してからの経過、そしてどのような問題を抱えているのかを整理することで、
これからどういうことができるようになると良さそうかということが見えやすくなっていきます。


①性格や、考え方が過度に偏っていないかどうか

②どんな生活習慣になっているのか

③仕事以外のことはどうなっているのか

という上記の3つの視点で見てみたり、

考え・気分・行動
が、どうなっていて悪循環が生じているのかを客観的に捉えられると、

現実的な行動が少しずつ取りやすくなっていくと思います。






〜外来でよく話していること〜
◎過去のことをイメージしすぎるとしんどくなってしまうので、
「こんな自分でも、まあいいか」「何でも思い通りにならないよね」と良い意味での「あきらめ」を
 ・・・自分のダメな部分を受け入れたり、周囲に対する過度な期待を下げることができたら、楽になるかもしれないですね。


周りに気を使いすぎないように、
「ありがとう」というように。
 ・・・周囲のことばかり配慮して、身動きがとれなくなってしまうのを避けられるとよさそうですね。

肩の力を抜いて
「病気とうまく付き合っていきましょう」
 ・・・こころのゆとりをどのように確保できるかが大切ですね。

もとの自分に戻ることより、あらたな自分に。
 ・・・これからどんな風に過ごしていけるとよさそうか、少しずつ考えてみてください。




講義のあとは、メンバーの皆さんから、率直な質問がいくつか挙げられていました。

これからどうしていけばいいのか、不安なことはたくさんあると思いますが、
少し先のイメージが持ちやすくなったのではないかと思います。


いろんなプログラムや、CRESSでの関わりを通して、今後も一緒に考えていけたらと思っています。











2015年7月10日金曜日

「ワクワク♪リワーク通信 2015年夏号」が完成しました!〜グループ作業の体験を復職に生かすために〜

CRESSのブログの読者の皆さん、こんにちは。
7月に入りました。梅雨明けが近づき、夏の訪れをすぐそこまで感じる季節となりました。

リワークメンバーは今日もCRESSに通い、仲間たちとともに、自分を見つめ、職場復帰に向けた作業に取り組んでいます。
このブログには、そういうメンバー達の復職に向けた真剣な取り組みを、多くの方たちに知ってもらう意義があります。

その意味で、今日のブログでは、リワークメンバーが、5〜6月の2ヶ月間のグループ作業で作り上げた、
ワクワク♪リワーク通信 2015年夏号(通算第9号)
をご紹介したいと思います。

グループ作業の成果物が出来上がるごとに、本ブログの記事でもその作品をご紹介してきました。同時に、グループ作業の意義も、お伝えしてきました。

リワーク通信の創刊は、2012年10月に遡ります。
今回の「ワクワク♪リワーク通信」は、通算して第9号目となります。
休職に至ったメンバーが、現在復職を目指して、グループの中で日々何を学び、体験しているのかを、リワーク通信を通じて、発信しています。
毎号毎号、その時にリワークに在籍していたメンバー同士が、リワーク通信の作成というプロジェクトを通じて、ともに仕事をする体験を共有してきました。

では、今回完成したリワーク通信を、見ていただきたいと思います。





夏を意識したコラージュでデザインされた色鮮やかな紙面が、とても印象的だと思います。
表紙は、「ゼンタングル」という手法を取り入れました。ゼンタングルは、過去のグループ作業の「響生 〜 memoirsこの1年を回顧する 〜」や「ワクワク♪リワーク通信」で、取り入れられたことがあります。メンバーで順番に絵を描いていき、各自の絵が集合して全体で一つのまとまりのある絵が出来上がるのです。当時在籍していたメンバーさんがゼンタングルを紹介してくれたのが、ゼンタングルを始めるきっかけとなりました。それが引き継がれているのです。

「小ネタあつめました」のページには、リワークに参加し始めたときにメンバーが感じていた疑問・質問を、Q&Aの形式で取り上げています。
「リワークあるある」や、「おすすめのお弁当」コーナーでは、リワークルームの中でのメンバーの日常の断片が、生き生きとユーモラスに伝えられています。

プログラム体験記では、メンバー間でアンケートを実施し、リワークプログラムで皆が何を体験しているのか、メンバーの声を拾い上げました。

プログラム体験記を読んでいただくと、メンバーが自分を自分で管理し、律することができるように、健康的な生活リズムの確立や、生活習慣の改善に取り組んでいることが、おわかりいただけると思います。

また、休職の背景には、そのメンバーの職場の要因もある訳ですが、より本質的には、そのメンバー自身に起因するものがあります。そして、リワークというグループによる治療においては、そのメンバー自身の内的な課題に、本人が目を向け、考えていくことが目標です。つまり、「私自身の考え方や性格、対人関係の取り方、コミュニケーション、仕事の仕方などが、休職に影響していたのではないか?」と考えられるかどうかが、リワークという治療体験の鍵を握っています。プログラム体験記からは、メンバーが自分について知る手がかりや方法をプログラムから学び、吸収していることも、知っていただけるでしょう。

そしてそうした方法論を、リワークでは実践的・体験的に試みること。休職の背景にもなっていた自分の内側にある課題や弱点を、メンバー間のコミュニケーションや、スタッフとの相談を通じて、乗り越えていくこと。そういう苦しくも濃密な日々の体験を、メンバーがリワークで重ねていることが、リワーク通信窺い知られることでしょう。

グループ作業とは、そうした体験を通じた学びの場です。
実際の職場と同じように、メンバーの中から全体リーダーを選出し、役職を置き、グループ分けをして、仕事のための組織づくりをします。
納期に見合う仕事量はどれくらいか検討しなくてはいけません。作品にかける理想はあるけれども、納期という現実を忘れるわけにもいきません。葛藤しながらも、今の自分達に見合う仕事はどういうものか、皆で検討しながら、仕事に向かいます。
職場で起きたことと似たような人間関係での悩みを、多くのメンバーが体験します。仕事の進め方についての意見の相違、他のメンバーから言われたことに対して感じる不満や怒り、相手にお願いしたい仕事があるけれども、口に出して依頼しにくい体験……。

今回完成した色とりどりのリワーク通信の背後には、こうしたリワークメンバーの濃密な体験があるのです。

今回のリワーク通信が、メンバーの日々のリワーク体験を、読者に知ってもらう機会となりますように。
それと同時に、今回のグループ作業が、来るべき復職への橋渡しとなり、自身の変化のきっかけとなる、実りある体験となればと思います。