2013年6月28日金曜日

ワクワク♪リワーク通信〜夏号〜


今回は、【グループ作業】というプログラムの中で、メンバーさんが2ヶ月かけて作成した
ワクワク♪リワーク通信〜夏号〜を紹介したいと思います。

今日、完成したので、できたてホヤホヤです☆







見ていただくと、カラーが “夏!” というのを感じていただけるような、ブルーを基調としています。

「これを手に取る人のために」「同じような経験をされて、リワークに参加してみようか考えている人のために」という目標に向かい、そこにグループが一つになって取り組まれました。

今回は、前回行ったグループ作業のリーダー&サブリーダーから、リーダーを引き継ぎ、そして、サブリーダーと書記が決まり、作業をしていく中で、表面・裏面に各リーダーが決まっていきました。

それぞれが、それぞれの立場で、どう仕事をしていくのか、自分に求められている仕事は何なのか、、、と、仕事の内容を考えながら、グループ全体を考えながら、今日を迎えて、みなさんが協力してできたという充実感や達成感を感じておられたのが伝わってきました。



どうしてグループ作業というプログラムをCRESSでやっているのか…?

それは、与えられた課題を通して、仕事の感覚を取り戻していくという目的だけではありません。

グループの中でいかに自分を発揮するか、どのようにそのグループにコミットメントしていくのか、仕事をする上での人間関係や環境をどう作り上げていくのかを、個人個人で模索していっていただきたいと考えています。

今月、CRESSに参加されたばかりのメンバーさんが、グループ作業を通して、以前から参加しているメンバーさんの中に馴染むことがスムーズにできたと振り返っておられました。

そこには、他のメンバーさんに対する思いやりが、みなさんの中にあり、とても強い絆が生まれていたのだなと気づかされました。

これはみなさんが自らの主体性をもって、それぞれが関わっておられたからこそ、生まれたものだったのではないでしょうか。




そして本日、一人のメンバーさんが卒業されました。

リワークに参加する前に思っていたこと、リワークに参加して感じたこと、気付いたこと、感じたこと、いろんな思いがあったことを改めて教えていただきました。

リワーク通信という大きな仕事をここで成し遂げて、復職していくということを、自分自身の大きな達成として、このことを職場に戻られても大切にしていただけたらなと思っています。

卒業という、“お別れ”ですが、お互いの心の中で感じた気持ちは消えることなく、ずっと大切な思いとして残っていくのではないかと思います。

心の中で感じた絆を胸に、大空へ、羽ばたいていかれるのを見守っています。










こころのクリニック和−なごみ−

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2013年6月21日金曜日

わたしの居場所 〜リワークを卒業するとき〜

今週は、お二人のメンバーの方が、リワークを卒業され、職場へと戻っていかれました。
長い時間をかけて、一歩一歩、復職への道を歩んでこられた方たちです。

職場で経験していたときと同じ種類の苦しさや不安をリワークの中で再体験されながら、ご自身のテーマを休職の時間の中で発見し、その課題に向き合い、取り組んでこられた方たちでした。

リワークに参加される中で、これまでは嫌で避けていた経験に対して、挑戦しようとされました。そして実際に挑戦されました。そして、これまでは回避していたことにも、取り組むことができる自分自身を発見されたと思います。

リワークに参加される中で、これまでは見るのが不安で目を閉ざしていた問題に対して、目を向けようとされました。そして実際に目を閉ざさず、見ることをされました。そして、これまでは見ないでいたことにも、向き合おうとしている自分自身を発見されたと思います。

リワーク卒業されたお二人が丁寧に時間をかけて、変化されていったプロセスがあったように、思っています。
お二人の生き生きとした表情は、それを物語っていました。

リワークを卒業され、職場復帰を成し遂げられたお二人に、心から「おめでとうございます」とお伝えしたいと同時に、卒業されたお二人が、リワークルームにおられなくなることに、寂しい思いもします。
それだけ、お二人と、濃密で大切な時間をリワークで共に過ごしてきたからだと思います。

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卒業されたお二人もそうだったと思うのですが、休職されてリワークに参加する際には、不安でいっぱいのスタートだと思います。
「リワークという新しい環境、更にはそこで出会うメンバーとスタッフに、私は馴染めるだろうか?」
「グループにうまく入れるだろうか?」
「プログラムについていけるだろうか?」
「リワークに参加しても、これから先、自分はどうなるのだろうか?」

不安のいっぱいの中、それでもリワークに粘り強く参加されていくと、あれほど不安と緊張でいっぱいだったリワークという場所が、その方にとって徐々に、とても安心できて、楽しめる場所に変化してくるときがあります。
同じプログラムに参加し、作業を共にし、汗を共に流し、笑い、たくさん会話をする時間を持つことで、メンバー同士の絆が深まっていくのだと思います。
メンバーとスタッフとの間の信頼関係が形成され、メンバーさんがスタッフを復職への伴走者として経験されていくこともでてきます。

ここまで来たとき、リワークという場所は、そのメンバーにとって、大切な居場所となっていると思うのです。
それは、メンバーの皆さんを見ていて、私に思われることです。

居場所となったリワークルームは、その方にとって、安心できて、くつろげる場所でしょう。
居場所とは、別の言い方をすれば、素直な自分、弱い自分を出すことができる場所。失敗することを恐れなくても済む場所。ここに自分がいるな、と思える場所。

卒業をされたお二人にとっても、リワークルームが、居場所となっていたように思います。

そして、お二人がリワークの卒業を意識し、復職に向かわれるようになってからは、リワークの持つこの居場所的な要素を、いかにして職場という仕事の場に持ち込み、居場所をリワークから職場に移していけるのか、ということに、苦しみながらも奮闘されていたように思いました。
卒業されたお二人は、職場に戻られた今後、その作業に取り組み続かれていかれると思います。その前途が良いものとなるように、願わずにはおられません。

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確かに職場はリワークルームとは違います。職場という場所では、リワークルームのようには自分を開示することはできないでしょう。そこには、仕事ならではの駆け引きもあるかもしれないし、評価もあるかもしれません。苦手な上司や同僚、部下もいるかもしれない。職場は、しばしば、葛藤にまみれた人間関係を私たちに強いてきます。
そして、なかには、職場での仕事自体が、面白くなかったり、苦しかったり、負担だったりもする場合もあります。

そういう職場を、一体どうやったら、リワークのような居場所として感じられるのか?

それはとても難しい問題です。

ただ、休職されたメンバーの方が、「リワーク・ルームに、わたしの居場所がある」と感じられたこと自体が、その方を今後も支えてくれることはあると思うのです。
苦しさに満ちた職場にいて、休職に至り、不安いっぱいでリワークに参加してから、リワークでの時間を積み重ね、仲間との絆を徐々に深め、「リワークが今のわたしの居場所だ」と感じられるようになった経験。
そうした経験そのものが、何かを教えてくれると思います。

「リワークでは安心できている自分が、なぜ職場ではあれほど苦しかったのか」
「リワークで安心できて、自然に振る舞える自分とは、一体どういう自分なのか」

こころの居場所を経験できたとき、その経験そのものを、考えてみること。

リワークを卒業されるお二人とのリワークでの時間を振り返りながら、そして、今これからもリワークルームでの時間を重ねていかれるメンバーさんの未来に思いを馳せながら、そんなことを思いました。


2013年6月14日金曜日

空梅雨



季節は6月・・・

             


そう…6月・・・



6月・・・?



6月…!?<<<<<(’□’)ぇ





6月なのに、この暑さは一体?!








と、疑問に思わざるを得ない日が続いていますね。

ここ大阪は、昨日は37℃、今日も猛暑日です。


せっかくの梅雨なのに、、、せっかく雨を楽しめると思っていたのに、、、
という、残念な気持ちを感じています。




というのも、先週の金曜日になりますが、
CRESSのプログラムで、“個人プレゼンテーション”の時間があり、参加されているメンバーさんに、【雨】というテーマで、プレゼンしてもらったのです。
(※個人プレゼンテーションは、テーマに基いて、どういう目的でどういうことを伝えたいのかを各々考えて頂きます。そして、予めレジュメなどを各自作成していただいた上で、みなさんに職場での会議や打ち合わせなどで自分がいかに振る舞うかを想定し、発表してもらうプログラムです。)



その中で、みなさんが発表されたものを、簡単に紹介させてもらえたらと思います。






数人の方は、雨の日の楽しみ方について、
・雨の日の服装を考えてみる事(レインブーツ、明るい色のものを選ぶ)
・雨割(ゴルフ、ホテル)
・雨の中の散策(あじさい)
・雨の日に鑑賞する映画、お芝居、ジャズバー
などなど、いろんな視点から紹介していただきました。

他の方々は、雨の効果として、
・マイナスイオン
・雨音の安らぎ
などを教えて下さいました。


自分が伝えたい気持ちを唄に乗せて届けてくださった方もいらっしゃいましたし、てるてる坊主に関する都市伝説の話をされた方もいらっしゃいました。


ある方は、自身が経験した、雨の日に対応することになった仕事のことを思い起こし、その中で自分自身が誠実に対応したことを振り返ってくださいました。


また、ある方は、子どもの頃と大人になってからとでは、雨に対する意識の違いを感じ、自分についての気付きをまとめられた方もおられました。


“雨”から連想するものは、人それぞれ違います。

今回の発表を通して、私も“雨”に対するイメージも広がり、「雨降ったらいいな〜」と思う気持ちが強くなっている今日このごろです。。。


現実では、外にいると、倒れそうなくらいの熱気ですが、
みなさんも熱中症などには気を付けて下さい。






こころのクリニック和−なごみ−
http://nagomi-kokoro.com/



2013年6月7日金曜日

続・リレー小説をつくりました

以前のブログで、アートセラピーの時間で創った「リレー小説」を紹介しました。
リレー小説をつくりました(2013年3月1日の記事)

今週、再びアートセラピーで、リレー小説をつくりました。

リレー小説は、文字通り、リレーのバトンを渡すように、参加者全員で小説の文章を順番に繋げていき、一つの小説をつくり上げるものです。

① 最初の人が、小説のタイトルと冒頭の文章を作ります。
② 二番目の人は、この冒頭の文章を受けて、続きを書きます。
③ 以下、この作業を、グループのメンバーで順々に行い、ストーリーを展開させていきます。
④ 最後の人は、小説の結末を書くことになります。

今回は、メンバーとスタッフの総勢11人で、リレー小説を二作、書き上げました。


最初の作品です。
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「さらば、青春の日々よ」
いつも目覚めのいい私が、今朝に限ってまぶたが重い。(Aさん作)
いつになくコップ一杯の水がうまく感じる。(Bさん作)
いっきに水を飲みほすと、ふと窓の外に目がいった。雨だ…。(Cさん作)
田園風景の中、水車の音がきもち良い。(Dさん作)
家の外からは、カエルの合唱が聞こえる。(Eさん作)
どうしても あの人に会いたくて、家を出た。(Fさん作)
お気に入りの傘をさし、あの日と同じブローチをつけ、深呼吸をしてから一歩をふみだした。(Gさん作)
向かった先は、あの日別れた場所。いるはずのない面影を探しに…。(Hさん作)
最後に二人で見た飛行機雲を思い出しながら、私は一人で、あの日の彼の姿を頭の中で思い描いた。(Iさん作)
今の姿ではなく、あの時の彼が現れるのを待ちながら、そっとブローチをはずした。(Jさん作)
「…馬鹿よね、私」 あの日見た飛行機雲のように、遠くへと、はずしたブローチを投げた。(Kさん作)
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いかがですか? 最初に「さらば、青春の日々よ」というタイトルが付けられた訳ですから、いかにして、そのタイトルに見合うストーリーをみんなで協力して創り上げていくかが、大切になってきます。
前半部は、静かな情景描写が続きました。いわば、起承転結の「承」です。
それが、Fさんの文章によって、ストーリーに動きと変化が生まれました。「転」です。
ここから一気に、このリレー小説の主人公が、失われた過去(別れた恋人でしょうか)に出会おうとしていることが、知らされました。ブローチという小物が、彼との思い出を象徴しているようです。
しかし、最後、主人公は、ブローチを投げて、彼の喪失を受け入れたようでした。
これは、見事に、「さらば、青春の日々よ」というリレー小説となりました。
喪失感と哀しみが漂っています。



さて、二作目です。
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「こんちくしょう!」

まったく腹のたつ一日だ。(Kさん作)
朝、食べた鯖(さば)ずしがあたって腹がいたい。(Jさん作)
しかも、今日は一ヶ月前から楽しみにしていたAKBのコンサートだ。(Iさん作)
私はセンターでみんなを引っぱらないといけないのに!!(Hさん作)
そうしなければAKBのみんなを守ることは出来ないのだ。(Gさん作)
そうだ、今日はきんたろうさんに出てもらおう。(Fさん作)
いや、まてよ。そんなことがバレたら、私はクビになってしまう。(Eさん作)
「ハメられた」 昨日もらった鯖ずしは、「明日朝食べてネ」と渡されたもの。いつもと違う赤い夕日ではなく、やけに青く感じた。この思いをどこかで返さねば。(Dさん作)
「こんちくしょう」 あいつは必ず毎日、あの店へ立ち寄っていたはず。まちぶせてどうにかしてやらなくちゃ、腹の虫がおさまらない。(Cさん作)
フライングゲットの「バカヤロー!!」 やるなら今でしょ!!(Bさん作)
おれは、鯖ずし専門店「AKB」に殴り込んだ。「おい、オヤジ!! これはどういうたくらみだいっ!!」
「まぁまぁ、そういわず。鯖ずし、いつ食べるの?」
「今でしょ!」(Aさん作)
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「こんちくしょう!」という心の叫びのようなタイトル。そして、驚くべき「鯖ずし」の登場。
何よりも、この主人公は一体何者なのか? わかるのは、この主人公が朝から鯖ずしを食べて、お腹をこわしているということだけです。
謎が謎を呼ぶ展開です。主人公は、AKBのメンバーなのか? ファンなのか? いや、コンサートホールの警備員なのか? 果ては、現実離れしたファンタジーに耽っている人物なのか??
主人公が誰なのか、その手がかりがないままに、Dさんの文章が来ました。ここで、「鯖ずし」が、どうやら誰かからのお土産か差し入れであり、主人公が食あたりしたのは、この人物の策略だったことが匂わされます。
「こんちくしょう!」、「バカヤロー!!」。とにかく、主人公は怒り心頭に達しています。
そして……リレー小説は結末に!!
あぁ……Aさんが頭を抱えていたことは、想像に難くないでしょう。
張り巡らされた伏線を、なんとか回収しようと試みるAさん……。

先ほどのリレー小説とは違って、一風変わった小説が出来上がりました。


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リレーのバトンが順調に手渡されて、ストーリーが展開し、プロットが明確になる場合もあれば、伏線が張り巡らされすぎて、最終走者までにはそれが十分回収できない場合もあるのですね。
こういう発見も、リレー小説を経験して、見いだせたことだと思います。

チームの目標は、「全体として、いかにして完成度の高い、面白い作品を作るか」ということ。参加者は、目標を共有しています。
その目標の共有した上で、自分の前を走ってきた人たちからのバトン(ストーリー)を、しっかりと自分が受け継ぎ、それを次の走者への信頼感のもと、手渡していくこと。
そうやって創造されたものが、最初のタイトルを書いたときには想像もできなかった作品となって、結実していきました。

人生のこの時期、この場所で出会ったCRESSのメンバーの皆さんが、しっかりとバトンをつないで創り上げた、大切なリレー小説です。