2012年11月30日金曜日

リワークを卒業すること

早いもので明日から12月、今年も残り少なくなってきました。

今年の7月から開始したリワーク・プログラムCRESSですが、年末が近づいてきた今、リワークを卒業され、復職されていくメンバーさんが少しずつ出てきました。

復職を決められたことをとても喜ばしく嬉しいと感じると同時に、これまでリワークでともに活動していた方々とお別れしなくてはいけないことに、寂しさや悲しさも感じます。

確かに、リワークは、復職を目標にしています。
うつ病で休職を余儀なくされた方がリワークに参加されることで、復職に必要な生活リズムを整え、なぜ休職に至ったのかを考える機会を提供して、病気の回復と復職へのプロセスをお手伝いすることが、リワークの意義です。

しかし、リワークの意義は、それだけに留まらないように思いました。
もし、復職することだけがリワークの唯一の目的ならば、見事復職という目標を達成してリワークを巣立っていく方たちに対して、喜ばしいという感情以上のものは出てこないかもしれません。

しかし、実際にリワークを卒業されるメンバーさんを前にして、他のメンバーさんや私たちスタッフは、喜ばしく祝福したいという思いと同時に、この方とお別れしなくてはならないことへの悲しさも同時に体験していました。

もっとお話ししたかった気持ちや、最後に特別にお別れの時間を取りたい気持ちが湧き上がって来ます。

大切な人やものを失うとき、人は、悲しみや寂しさを体験します。
そして、大切なものを喪失したときに、悲しみやこころの痛みを感じられる心こそが、健康な心だといえましょう。

卒業されていくメンバーさんとの別れを名残惜しそうにされている情景を見て、CRESSで出会ったそれぞれのメンバーさんがそれぞれの方のこころの中にいて、お互いの繋がりを感じておられることを、思わずにはいられませんでした。

うつ病と休職という辛い経験の中で、リワークでの出会いを大切に感じらる心が生まれることは、復職を達成することに勝るとも劣らない、リワークの意義だと感じました。

CRESSから卒業され職場に赴いていかれるメンバーの方たちの、職場での健闘と、これからの人生の幸を、願っています。


2012年11月22日木曜日

秋を満喫〜BBQ編〜


先日、CRESSの活動として、鶴見緑地公園へ行き、BBQを楽しんできました。
花博の跡地の、すごく広い公園で、赤く染まった木々がとても素敵でした。
景色を見るだけで、視覚的に“秋”を堪能することができますね。
少し肌寒いかなと心配でしたが、BBQの熱気と、柔らかい太陽に包まれて、心地よい時間を過ごすことができました。

銀色のアルミで包まれているのはさつまいもです。
時間がかかりましたが、じっくりと火を通して、とっても美味しい焼き芋ができあがりました。
ホクホクとした感じが伝われば…と思います。

クリニック周辺はオフィス街で、なかなか紅葉を楽しむことが難し場所なので、
少し足を伸ばして、素敵な場所に行けて、みなさんにも良い刺激になったのではないかなと思います。
働き詰めで、忙しいと、いつの間にか季節が流れていってしまっていますが、
少し時間を割いて、季節に触れて、心の栄養を取り戻すことも大切な時間かなと思います。





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こころのクリニック和−なごみ−

〒541-0054大阪市中央区南本町2−2−9  電話06-6226-7463 URL:www.nagomi-kokoro.com



2012年11月16日金曜日

第四回うつ病講習会

 リワーク・プログラムCRESSでは、毎月1回、和田院長による『うつ病講習会』を実施しています。
今週はその第四回でした。

 今回のテーマは、『再発を防ぐために』でした。


 うつ病で休職されている方の多くから、「復職できたとしても、また再発して休職してしまわないだろうか」という不安の声が聞かれます。
 事実、うつ病は再発が多い病気として知られています。
 今回のうつ病講習会では、そうした事実を踏まえた上で、再発予防に大切なことについて、院長から説明がありました。

 それによるとまず、規則的な生活リズムと適度な運動を心がけることが重要となります。こころと身体とは相互に関係し、つながっているでしょう。ですから、安定したリズムで生活を営めることは、こころのリズムも生み出すのだと思いました。身体が動くことは、こわばっていたこころに柔らかさが生まれることにつながるでしょう。

 次に、考え方の柔軟さが大切になってくるということでした。
 ここでテーマとなってくるのは、「うつ病と性格」という問題です。うつ病と親和性の高い性格というものが知られています。こうした性格の方は、性格や考え方にある種の硬さが見られます。こうした考え方の硬さによって、その方自身が追い込まれ、苦しめられることになるのです。
 自分のこうした性格を知り、「考え方のクセ」を認識して、少しずつでも違った角度から物事を見られるようになれば、隙間のなかったこころに、ゆとりと柔らかさが生まれるでしょう。
 以前と同じように苦しく辛い出来事に直面しても、以前の自分とは違った考え方で事態に対応できるようになること。これが再発予防にとって、とても大切なことだと思いました。

 そして最後に、趣味活動の大切さです。うつ病の渦中におられる方は、自分にも世界にも、救いがなく、救いはこの先も来ないように感じられると思います。
 人生に楽しさを感じられるようになること。人生に楽しさと喜びを感じられる対象を見つけて、それを大切にすること。これがとても大切なのだと思いました。その対象は、仕事もそうなりえるでしょうが、それだけでに限定されることでもないでしょう。自分にとって大切な人、家族、趣味……、安心と喜びを感じられるこうした対象がそばに一緒にいてくれると感じられれば、それはその方にとって、大きな心の支えになります。

 院長のうつ病講習会では、今後も、うつ病で休職されているリワークの参加者の方にとって、興味関心のあるテーマを取り上げていきます。






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 住所: 〒541-0054  大阪市中央区南本町2−2−9 辰野南本町ビル1階
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2012年11月9日金曜日

自分らしさ


 “自分らしさ”………改めて考えると難しいですよね。今週もさまざまな取り組みをしました。
 何か「自分って、こういうところあるな」とか、「こういうところって自分らしいな」と思うところはあったでしょうか?
 
 今週について振り返ってみましょう〜
 
 今週の月曜日→
アートセラピーでは、落ち葉や樹の枝を用いて、【秋】をテーマに、画用紙に自由に表現していくという作品創りに取り組んでいます。
 来週もつづくので、出来上がりはお楽しみに★

 火曜日→
グループ作業では、今月イベントでBBQを行うので、その準備を始めました。
 どんな感じになるのかワクワクしています。

 木曜日→
アサーションでは、“断る”ということについて考えました。
 先週は、“頼む”ということについて学びましたが、“断る”というのがいかに難しいことなのかが見えてきました。
 “断る”ということが、どんな点で難しいのかも、人それぞれ違いました。
 そもそも断るという選択肢が許されていないと思っている方もいらっしゃいましたし、その状況によって断れない場合があったり、要求された内容によって断れないように思っていらっしゃる方もいましたし、それぞれがその場面でどのように感じたり、考えたりするのかというのが少し明瞭になったと思います。
 また、断るときに、どのようなポイントで伝えるのか、その人によっても得意なことと、不得手なことがあります。
 まずは、得意なことから少しずつ取り組んでいっていただきたいこと、小さな変化を積み重ねていくということを着実に実行していっていただけたらなと思っています。






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2012年11月2日金曜日

ワクワク♪リワ〜ク通信 ー秋号ー

 これまで本ブログの記事の中で、リワーク・プログラムCRESSの活動の一端を紹介してきました。
 今日は、「グループ作業」というプログラムをご紹介したいと思います。

 私たちは職場の中で孤立して仕事をしている訳ではありません。共通のプロジェクトに関わるチームの一員として、職務に当たっているはずです。
 上司、同僚、部下と協力しながら、お互いの立場と役割を尊重して、仕事に向かっていきます。
 お互いがコミュニケーションを取ることでチーム全体が生き生きと動いているときは、仕事も進展するでしょうし、各メンバーも仕事に対する充実感や、やり甲斐を経験できるでしょう。
 しかし、コミュニケーションが取りづらいチームでは、お互いの意思疎通も難しいですし、仕事に対する居心地の悪さや不全感を感じることになると思います。
 ですから、復職を目指す方にとって、チームメイトとコミュニケーションを取りながら仕事に取り組めることは、大切な課題となります。
 
 CRESSの「グループ作業」では、ある課題を設定して、メンバーの皆さん全員で協力しながら、課題を達成してもらうプログラムです。
 
 さて、今回のグループ作業では、リワーク活動を紹介する“リワーク通信”の作成をプロジェクトにしました。
 その内容やデザイン、実際のパソコン作業に至るまで、メンバーの皆さん主体で取り組んでもらいました。
 “リワーク通信”のネーミングも、メンバーの皆さんにアイデアを出してもらいました。
 
 こうして出来上がったのが、「ワクワク♪リワ〜ク通信 ー秋号ー」です↓↓↓
 記念すべき創刊号です! ↓↓↓


 
 作業初日は、チームでどのように作業を進めていけばいいか、戸惑いの中でのスタートだったと思います。個人作業なら自分のペースでできる課題も、いざチーム全体で取り組むとなると、自分がどう動けばいいのか、戸惑いや遠慮や葛藤も感じておられるようでした。
 しかし、そうした最初のためらいも、進行を取り仕切るメンバーの方が出てくることで、皆が意見を出しあえるようになり、お互いの文章を持ち寄って、それを集約することができました。
 作業が進むにつれて、グループの一体感が生まれてきたように思います。
 
 「ワクワク♪リワ〜ク通信」の内容については、ぜひ、実物をご覧いただければと思います。
 うつ病で休職され、悩みや希望など、いろんな気持ちのあいだを揺れながら、一歩一歩復職へ向けて進んでおられるメンバーの皆さんの、とても実直で貴重な声が、記されています。
 
 CRESSに参加されているメンバーの皆さんが、「ワクワク♪リワ〜ク通信」を通じて自分たちの気持ちや心境を周りの方に伝えることができればいいなと思いますし、グループの大切な成果となったと思います。
 

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